出会い系サイト規制法とは?届出・年齢確認・禁止行為を条文で整理

※本記事は法律の一般的な情報整理であり、法律相談や個別のサービスの安全性の保証にはならない。条文はe-Gov法令検索、数字は警察庁の公表資料で確認した。特定のサイト・アプリの評価はしていない。最終確認日:2026年10月。

正直に答えろ。「届出済み」と書いてあるだけで、そのサイトを信用したことはねえか。

先に言っとく。届出があるのは、そのサイトが「無届営業じゃない」というだけの話だ。出会い系サイト規制法の目的は、条文の1条にそのまま書いてある。インターネット異性紹介事業を使った児童買春その他の犯罪から、児童を守ることだ。料金が適正か、サクラがいないか、詐欺師が紛れていないか。そこを保証する法律じゃねえ。

数字で見る。警察庁の資料では、令和7年(2025年)の統計で、届出事業者は1,393、届出サイトは2,030。一方で、この年の法6条(禁止誘引)違反の検挙は7件、無届営業と名義貸しの検挙は0件、指示や停止命令といった行政処分も0件だった。法の網は存在する。ただ、利用者が実際に遭うトラブルの大半は、この網の外側で起きる。

知らないと損をするのは、2つの場面だ。ひとつは、18歳未満が相手の場面で、刑事責任を自分が負う側に回ること。もうひとつは、「届出済み」を信用の根拠にして、課金や送金で痛い目を見ることだ。

この記事で分かることは次の6つだ。

  1. 出会い系サイト規制法の目的と、どんなサービスが対象になるのか
  2. 事業者に課されている届出・年齢確認・表示の義務
  3. 利用者(「何人も」)に課されている禁止行為と罰則
  4. 令和7年の届出数・検挙数から見る、法律の守備範囲
  5. 「届出済み」で分かること/分からないこと
  6. 登録前に見る、サイト安全度チェック表(12項目)

この記事の要点

  • 法の目的は児童の保護。恋愛の安全や料金の適正さを保証する法律ではない
  • 対象は、面識のない異性との交際を希望する者の情報を公衆が見られる状態で伝え、相互に連絡できるようにする事業。アプリも該当しうる
  • 事業者は事前に届出が必要(許可制ではなく届出制)。年齢確認と「18禁」表示の義務もある
  • 利用者も、18歳未満を性交等の相手方に誘引する行為などを禁じられている。罰則は100万円以下の罰金
  • 届出番号の表示義務や、利用者が照会できる全国一覧は、確認できた範囲では見当たらなかった

この法律が守っているのは「児童」であって、利用者の財布や恋愛じゃない

正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」。平成15年(2003年)に公布され、その後も改正されている。ここでいう児童は、18歳に満たない者のことだ(2条1号)。

1条の目的を要約すると、次のとおり。インターネット異性紹介事業を利用して児童を性交等の相手方などに誘引する行為を禁止し、事業に必要な規制を行うことで、事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、児童の健全な育成に資する。

想像してくれ。「届出済み」と書いてあるアプリで、ポイントを買い足してもメッセージが続かない相手に出会った。これは規制法の守備範囲の外の話になる。課金や勧誘は、消費者保護の窓口(188)の領域だ。法律ごとに守る対象が違う。ここを混ぜると判断を誤る。

対象は「4つの要件」を満たす事業。マッチングアプリも該当しうる

2条2号の定義では、インターネット異性紹介事業とは、異性交際(面識のない異性との交際)を希望する者の求めに応じて、その情報をインターネットで公衆が閲覧できる状態に置いて伝達し、情報の伝達を受けた者が電子メールなどで連絡できるようにする役務を提供する事業をいう。

警視庁は、これを4つの要件に分けて説明している。

要件中身
異性交際希望者への役務提供異性交際に関する情報を、電子掲示板などに掲載するサービスを提供している
公衆閲覧性不特定又は多数の者が閲覧できる
相互連絡性電子メールなどで、お互いに連絡できる
反復継続性有償・無償を問わず、反復継続して提供している

警視庁は「出会い系(マッチング)サイト」「出会い系(マッチング)アプリ」とも呼ばれる、と説明している。つまり、呼び方がアプリでも、要件を満たせば対象になる。個々のサービスが該当するかは、4要件に当てはめて決まるもので、この記事では個別の判断はしない。

事業者は「届出」が必要。許可でも認可でもない

7条は、事業を行おうとする者に、事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会への届出を義務づけている。届出事項は、氏名・名称・住所、広告で使う呼称、事務所の所在地、連絡先、役員の氏名、年齢確認の方法などだ。施行規則によると、事業開始の前日までに警察署長を経由して提出する。神奈川県警の案内では手数料は不要とされている。

ポイントはここだ。条文は「届出」で、許可制じゃない。公安委員会が内容を審査して「お墨付き」を与える制度とは読めない。一方で、暴力団員や一定の刑に処せられた者などは、事業を行ってはならない(8条の欠格事由)。他人に自分の名義で事業をさせる名義貸しも禁止されている(9条)。

違反の内容条文罰則
届出をしないで事業を行った32条1号6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
名義貸し32条2号同上
公安委員会の指示(13条)に違反32条3号同上
停止命令(14条)に違反31条1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はその併科

ここまでが「事業者が登録の入口で守るべきこと」だ。次は、サイトを使う側に直接関わる部分に進む。年齢確認と、18禁の表示だ。

年齢確認と「18禁」表示は義務。ゆるい確認は、サイト選びの赤信号だ

10条は、広告や宣伝のときに児童の利用禁止を明らかにすること、利用しようとする者に対して同じ旨を伝えることを、事業者に義務づけている。施行規則3条は、文字で広告する場合は「児童が利用してはならない旨の文言を公衆の見やすいように表示する」こと、メールで広告する場合は題名部分に文言か「18禁」を表示することを定めている。

11条は、利用前に、児童でないことを確認する義務を定める。確認の方法は、施行規則5条に列挙されている。

方法(規則5条)中身利用者から見ると
運転免許証などの提示・送付・画像の送信年齢又は生年月日、書面の名称、発行者の名称の部分免許証などの画像を送る
署名用電子証明書など(公的個人認証)電子署名つきで生年月日の情報を受け取るマイナンバーカードを読み取って認証する
クレジットカード等の支払いへの同意児童が通常利用できない方法で料金を支払う旨の同意を受けるカード登録・カード決済
識別符号(ID・パスワード等)の付与上記のいずれかで確認した人にだけ、IDなどを付ける確認が済んだ後に利用開始になる

規則は、免許証などで提示を受ける部分を「年齢又は生年月日」「書面の名称」「発行者の名称」に係る部分としている。逆に言えば、年齢確認に必要なのはこの範囲だ。都道府県警の案内には、サービスの内容によって自己申告による確認が認められる例外も書かれている。細かい取り扱いは管轄の警察に確認してくれ。

登録時に、生年月日を入力するだけで使えるサイトに出会ったら、少なくとも「年齢確認がゆるい」とは言える。それが違法かどうかは別の話だが、サイト選びの判断材料としては十分だ。

利用者にも禁止行為がある。6条の「禁止誘引行為」は誰にでも適用される

6条は、「何人も」、インターネット異性紹介事業を利用して、次の行為をしてはならないと定める。事業者だけの規制じゃない。成人の利用者にもそのまま適用される。

号禁止される行為罰則
1号児童を、性交等の相手方となるように誘引すること100万円以下の罰金(33条)
2号人(児童を除く)を、児童との性交等の相手方となるように誘引すること同上
3号対償を供与することを示して、児童を異性交際(性交等を除く)の相手方となるように誘引すること同上
4号対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること同上
5号上記のほか、児童を異性交際の相手方となるように誘引し、又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること罰則の対象から除かれている(33条)

33条は「第六条(第五号を除く。)の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する」と書いている。5号は禁止だが、この法律の罰則はかからない形だ。ただし、これは「この法律の罰則」の話で、児童買春・児童ポルノ禁止法、児童福祉法、各都道府県の青少年保護育成条例など、別の法令の罰則とは別だ。警察庁の統計も、児童の被害を、これらの法令の違反や重要犯罪等を対象にまとめている。

だから結論はシンプルだ。18歳未満と思われる相手と、出会い系の場で接触しない。年齢が曖昧な相手には、深入りしない。それが自分を守る唯一の線だ。

数字で見ると、この法律は「児童の保護」に集中している

警察庁の「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」(令和8年2月)には、出会い系サイト規制法の運用状況が載っている。

項目令和6年令和7年
届出事業者数1,3221,393
 うち法人/個人1,107/2151,155/238
届出サイト数2,1242,030
検挙:法6条(禁止誘引)21件7件
 うち児童による誘引11件2件
検挙:法7条(無届等)・9条(名義貸し)0件0件
行政処分:指示(13条)・事業停止等(14条)0件0件

もうひとつ、同じ資料に大事な注記がある。警察庁の統計で「SNSに起因する事犯」の被害児童(令和7年は1,566人)という数字は、「届出のある出会い系サイトを除いたもの」と定義されている。届出のある出会い系サイトと、SNSを別枠で集計しているわけだ。法律の網がかかっているサイトの外側で、児童の被害の問題が大きいという現実が、数字の分け方にも出ている。

「届出済み」で分かること、分からないこと

では、肝心の「届出番号」だ。条文と警察の案内を読んだ範囲で、先に事実を並べる。

  • 事業者が公安委員会に届出をする義務は、法7条に定められている
  • サイトに届出番号や受理番号を表示することを、事業者に義務づける規定は、法の条文と施行規則では確認できなかった
  • 利用者が、届出済みかどうかを照会できる全国一覧を、警察庁などが公開している様子は、確認できた範囲では見つからなかった

つまり、サイトに載っている「届出番号」や「届出済み」は、利用者の側から公的に突き合わせる手段が見当たらない、自己申告に近い情報だ。載せているサイトを疑えという話じゃない。ただ、それだけで安全と決めるな、という話だ。不安なときは、事業者の所在地を管轄する警察署や警察相談専用電話(#9110)に聞くのがいちばん確実だ。

届出があると言えること届出があっても言えないこと
事業開始前に、公安委員会へ届出がされている(無届営業ではない)料金体系が適正か、課金の仕組みが誠実か
年齢確認と18禁表示などの義務を負っているサクラ(運営側が雇う偽の会員)がいないこと
禁止誘引行為を知ったら閲覧できなくする義務を負っている(12条)会員の身元が確かであること、詐欺的な勧誘がないこと
違反すれば、指示や停止命令の対象になる義務が、実際にどこまで守られているか

保存用|登録前に見る、サイト安全度チェック表(12項目)

ここまでの条文を、登録前に使える形にした。◎は法令に根拠がある項目、○は国民生活センターなどの注意喚起や、編集部の整理にもとづく目安だ。これは「安全の証明」じゃねえ。見落としを減らすための道具として使え。

#確認すること根拠要注意のサイン
1広告や登録画面に「18禁」「18歳未満は利用できません」の表示がある◎ 法10条、規則3条・4条表示がまったくない
2登録時に、書類・公的個人認証・カード決済などの年齢確認がある◎ 法11条、規則5条生年月日の入力だけで使える
3年齢確認で求められる情報が、必要な範囲にとどまっている○ 目安(規則5条は確認する部分を限定している)関係のない情報まで、強く求められる
4運営事業者の名称・所在地・連絡先が確認できる○ 目安運営者名が見当たらない、連絡先がフォームだけ
5「届出済み」の表示がある(あくまで参考)○ 目安番号の記載だけで、運営者の情報が薄い
6料金(ポイント単価など)が、登録前に分かる○ 目安使うたびに、料金の見え方が変わる
7規約に、18歳未満の利用禁止、勧誘・金銭要求の禁止が書かれている○ 目安規約が見つからない
8通報・ブロックの機能があり、問い合わせ窓口がある○ 目安(法12条2項は防止措置を講ずる努力義務)通報手段がない
9運営から届くメールが「お金をあげる」「ポイントをあげる」系ではない○ 国民生活センターの事例お金や支援金をちらつかせる
10サイト外(LINEなど)への誘導を、運営が促していない○ 国民生活センターの注意喚起早い段階での外部誘導
11支払い方法が、電子マネー・プリペイド一択になっていない○ 国民生活センターの事例コンビニでの電子マネー購入を求められる
12不安になったとき、相談先(188、#9110)を知っている○ 目安相談先を知らないまま課金している

困ったときの相談先と、トラブルのときの動き方

  • お金・契約のトラブル:消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活センター等につながる)
  • 犯罪にあたるか分からない、不安がある:警察相談専用電話「#9110」。緊急のときは110番
  • 法的な見通しを聞きたい:法テラス(サポートダイヤル0570-078374、平日9〜21時・土曜9〜17時)
  • 運営会社への通報:まずは、サイトの通報・問い合わせ窓口にやり取りの記録を添える

やり取りの画面、支払いの記録、相手のID。消す前に残しておけ。相談のとき、これがいちばん役に立つ。

よくある質問

Q. 出会い系サイト規制法は、マッチングアプリにも関係あるのか?

A. 警視庁は、出会い系サイトや出会い系アプリを、規制法のインターネット異性紹介事業として説明している。対象になるかは、4つの要件(情報の掲載、公衆閲覧性、相互連絡性、反復継続性)を満たすかで決まる。個別のサービスの判断は、事業者の届出状況や所管の警察に確認が必要だ。

Q. 届出番号は、どこで見られる?

A. 条文と施行規則で、サイトへの表示義務は確認できなかった。載せている事業者もあるかもしれないが、利用者が公的に照会できる全国一覧は、確認できた範囲では見つからなかった。確認したいなら、管轄の警察署や#9110に相談するのが確実だ。

Q. 成人同士なら、この法律は関係ないのか?

A. 6条は「何人も」に適用される。成人同士のやり取り自体を罰する法律じゃない。ただ、相手が児童の場合の誘引行為は禁止されていて、相手の年齢を知らなかった場合の扱いは個別の判断になる。だから、18歳未満かもしれない相手には、そもそも接触しないことだ。

Q. サイトに「18禁」と書いてあれば、全員成人と思っていいのか?

A. 表示は事業者の義務で、利用者の年齢を保証するものじゃない。年齢確認がどう行われているか、が問題だ。確認がゆるいサイトでは、登録できていても成人とは限らない。

Q. 有料サイトで課金しても相手とつながらない。これは規制法で何とかなるか?

A. 規制法の目的は児童の保護だ。課金の問題は消費者トラブルとして、188に相談するのが入口になる。

まとめ|「届出済み」に何を期待していいのか

最初の問いに戻る。「届出済み」を、信用の根拠にしていいのか。答えは、半分だけだ。届出があるのは、無届営業ではない、年齢確認や18禁表示などの義務を負っている、というところまで。料金の適正さ、サクラの有無、詐欺の有無は、別の問題として、自分で見る必要がある。

  • 法の目的は児童の保護。恋愛の安全や課金の適正さを保証する法律ではない
  • 事業者は届出制(許可制ではない)で、年齢確認と18禁表示の義務がある
  • 利用者にも6条の禁止誘引行為がある。罰則は100万円以下の罰金。18歳未満と思われる相手とは接触しない
  • 届出番号の表示義務や、利用者が照会できる全国一覧は、確認できた範囲では見当たらなかった
  • 登録前に、チェック表の12項目を見て、迷ったら188か#9110に聞け

今日やることは2つ。いま使っているサイト・アプリが、登録時にどんな年齢確認をしていたか、思い出して確認すること。そして、188と#9110の番号を、スマホのメモに入れておくことだ。

参考にした公的資料

最終確認日:2026年10月

関連:出会いのガイド一覧、悩みから探す、はじめての方へ、編集方針。

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